ドタンバタ　　　　　　　　　　　　　　

サバ（鯖）が無茶苦茶(むちゃくちゃ)に釣れた。太いサビキ（連結疑似多針）に、サバの若い衆らがドカッと一斉に食らいつくと、さぁ大変。彼らはそろって三十数センチの青年団。対するこちらは定年前のロートル。ハリス（釣り糸）はぶち切られるは、竿はへし折られるは、足腰はガタガタするは、もうざんざんな目だ。

よっしゃ！　サバがその気なら、おっさんもがんばるゾ！　と、作戦変更。

かねて用意のに、ぶっとい太サビキ仕掛けをセット。

釣りましたねぇ〜。納竿後、生け締め(いけしめ)し、氷クーラーへ入れて持ち帰るが、そのクーラーが重たくて重たくて、背負って折れて曲がったですな。　　　

ギュギューン・ドタンバタドタンバタと釣っていたら 。

あぁ、

ギュギューンは、釣り竿（さお）がサバに引き込まれる感じ、ドタンバタはボートに釣り上げたサバが艇内を跳ねまわる音だけど、これを見た漁船が近づいてきて

「おっさん、なに釣っとるのや」と問うた。

「サバです。大アジまじり」と返事。

「で、そっちは、なに釣るつもりでっか？」と、ノドまで出かかるのをぐっとこらえて又々ギューンドタンバタ。　　　

反省、釣りすぎです。得意満面持って帰ったはいいけれど、あとの処分に困った。仕方ないから生寿司(きずし)をたくさん作った。朝晩食って、身体中が酢漬けだ。ブルブルッと身震いすると、辺りに酢が飛び散る感じ。　　　　　

対策が必要だ。次回は、まず海へ向かって

「塩サバにするゾ！　嫁に食わすゾ！」と、

サバ軍団を恐れ入らせてから、なお立ち現れる大物だけ、ごく小数釣ることにする。